WHITE SEA
- 白の海 -
A concert for creation
- 白の海 -
A concert for creation
A vision by SHINTA SAKAMOTO
人はみな、心の中に、無尽蔵の海を抱いている。
そこでは、全ての記憶や、夢、生き物としての知恵、原初の喜びと悲しみが、一切合切混ざり合い、一瞬たりとて一定の形を取ることなく、波打っている。
私たち人は、海辺に座り、その波打つさまをじっと、見ている。
時折、その微妙な水面の揺れ、光と影の幽かな震えに、かつて自分を愛した者たちの姿を見る。
その姿は、私たちに一瞬間、流れ行く時間が存在せず、一切合切が含まれた一つの巨大な海だけが、始めも終わりもなく、そこにただ居続けるという幻想を抱かせる。
そして、これは夢幻、妖怪や魔法使い、仙術の為せる業にすぎないと、人は、思い直し、またしばらく海辺を離れて、街にでる。
けれど、また時間が経つと、あれは全くの夢幻ではなかったのでないかと、不安に思い、しばし、海辺に通うようになる。
すると、また、海は、新たな景色を私たちに見せる。
私たちには一切心当たりのない景色や人、古代の宝や、未来の知恵、それらに、なぜか、身体を芯から緩め、温め、命を鼓舞する震えを、波模様に感じる。これは一体何であろう。
その人は、海辺の付近をうろつき、砂浜を駆け回る子どもたちと遊ぶようになる。
そして、その子どもたちは、日が暮れると、次々と、海に飛び込み、暗闇に消えていってしまうことを知ることになる。
朝になると、子どもたちは、いつの間にか、砂遊びに興じている。
その人は、不思議に思い彼らにこう尋ねる。
「君たちは一体どこからきて、どこにかえっていくの?」と、子どもたちは、一斉にその人のことを見る。
その眼差しは、深く澄み渡り、すべての光を吸い込んだ最期の藍色をしている。
みるみるうちに、その人の、瞳の色が、子どもたちと同じ色へと変わっていく。
その日から、その人は、毎日、海に飛び込むことになる。
そして、その人の目に映る海は、光も影もない、何色でもない、言い得るとしたら、何色にでもなり得る、ひとつの色、白というしかないものを放っている。
maishintaは『WHITE SEA ~ 白の海』という赤ちゃんから参加できるホールコンサートを2020年の1月に予定していました。
コンサートは産後の体調を鑑みて延期しましたが、レコーディングを行いました。
2020年12月21日オンラインコンサートとして、maishintaの YouTubeチャンネルにて公開いたしました。
Opening
1.SAI - maishinta
2. HOHOEMI - maishinta
3.KATACHI AREDO - maishinta
4. love is - maishinta
5.イチゴりのここねなされ - IRIS SUN
6. 緑の花 - 8th MAY & IRIS SUN
7. 二千兆億年の昔のこと - 8th MAY & IRIS SUN
Credit
SHINTA SAKAMOTO - Vocal, Piano, Video, Recording, Mixing
MAI SAKAMOTO - Vocal, Produce
PIANO - Steinway
HALL - 風のホール
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